こんにちは、アイコです。
介護職はハードワークで辛いというイメージを持つ人が多いと思いますが、その代表的なイメージが夜勤での業務だと思います。
ネットなどを見てみても、実際に夜勤が辛いという内容の話を見かけます。
私も実際に7年間介護職として働く中で、従来型及びユニット型特別養護老人ホーム、グループホーム、ショートステイでの夜勤を経験してきました。
特にグループホームでは、2年間夜勤専従の職員として働いてきました。
私の経験上、同じ夜勤でも施設や働き方によってその特徴は大きく異なりますが、実際の夜勤の仕事というのは世間のイメージほどハードな仕事ではありません。
そこでこの記事では
- 夜勤の仕事内容や勤務形態
- 夜勤のメリットとデメリット
- 夜勤で働く際に見るべきポイント
について実体験を踏まえながら解説していきます。
介護職の夜勤は辛い?実際の仕事内容を解説
介護職の夜勤では実際にどんな仕事をするのでしょうか?日勤とは違うのでしょうか。
夜勤の仕事内容は施設により多少異なりますが、基本的な流れはほぼ変わりません。
大まかな流れを見ていきましょう。
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食事介助、服薬介助、口腔ケア、就寝介助
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巡回、おむつ交換、トイレ誘導(繰り返し)
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朝食準備、起床介助
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食事介助、服薬介助、口腔ケア、食堂の片付け、トイレ誘導など
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記録、ゴミ出し、引継ぎ等
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お疲れ様でした!
ざっくりとですが、大体どこの施設でも同じような流れです。
ただし介護職の夜勤の場合、16時間勤務の施設がほとんどですが、シフトの組み方次第では8時間勤務の所もあります。
その場合は点線で引かれた部分は日勤帯や遅番の方がやってくれているので、ご利用者が寝静まった状態から夜勤を開始することになります。
それぞれの業務についてもう少し詳しく見ていきます。
食事準備、食事介助
特別養護老人ホームなどの大きい施設では食事専門の部署があるので、そこで予め作られた食事を配るのが基本です。
ですがグループホームなどでは決められたメニューを職員が作って提供する場合もあります。
食事介助に関しては自立度の高い方であれば見守りで大丈夫ですが、重度の認知症の方や麻痺などで身体の動かせない方はこちらでスプーンなどを用いて食事を口に運んであげます。
服薬介助
服薬と言われると難しいイメージがあるかもしれませんがそんなことはありません。
看護師や薬剤師から預けられた薬を利用者に飲んでもらいます。
こちらは医療行為には当たりません。
食事介助と同じように、利用者に応じて自分で飲んでもらったり、こちらで介助したりします。
ただし別の人の薬をあげてしまったり、朝の薬を夜あげてしまったりなどという事故がないよう、充分に注意しなければなりません。
口腔ケア、就寝介助
口腔ケアとは要するに歯磨きのことです。
利用者が上手くできない時にはこちらで歯を磨いたり、入れ歯の洗浄をしたりします。
その後必要に応じてトイレ誘導やパジャマへの着替えを行い、ベッドに横になっていただきます。
巡回、介護記録
夜間の巡回は巡視、ラウンドなど施設によって呼び方は様々ですが、要するに利用者の体調に変化はないかの確認です。
基本的には1〜2時間に1回の割合で居室の様子を伺います。
そして寝ている利用者の呼吸や顔色に変化はないか、ベッドから落ちて怪我をしてないか、転落防止のセンサーを使用している場合はちゃんとスイッチが入っているか、その他異変はないかなどの確認を行います。
そうして夜間の様子をパソコンまたは記録用紙を用いて日誌として記録していきます。
おむつ交換、トイレ誘導
夜間のおむつ交換の回数やトイレのタイミングについては施設や利用者によって異なるので一概にどれぐらい、とは言えません。
ですが特別養護老人ホームのように介護度が高く、人数も多い所ではその分おむつ交換の人数も多くなります。
トイレに関しては自分で行かれる方もいますが、夜にはふらつくため付き添いが必要な方、ズボンの上げ下げに介助が必要な方など様々です。
日中はトイレに行っていて、夜間だけおむつの人もいます。
職員が声かけをして連れて行く場合もあれば、ナースコールなどで呼ばれた時に介助するというパターンもあります。
雑用(掃除、洗濯、食器洗い、消毒、物品の補充など)
雑用に関しては施設により異なります。
ですが掃除や消毒などは日中なかなかできるタイミングが少ないので、夜勤業務として組み入れているところが多いです。
起床介助
就寝介助と逆で、朝利用者を起こしに行きます。
必要に応じて着替えを手伝ったり、顔を拭いてあげるなどします。
いかがでしょうか。
夜勤は辛いというイメージがあるかもしれませんが、正直利用者が起きている間の対応は日勤とほぼ変わりませんし、仕事内容が特別大変という訳ではないんですね。
ですがその中で万が一転倒や容態の急変などあれば対応をしなければいけないので、人での少ない夜勤での迅速な対応はより重い責任が生じます。
その点は慣れないと不安を大きく感じるかもしれません。
夜勤のメリットとデメリットは?なぜ辛いと言われるのか
介護職の夜勤は辛い、大変というイメージはどこから来るのでしょう。
詳しくはデメリットの部分で後述しますが、実際はメリットも大きいのです。
順番に見ていきましょう。
夜勤のメリット
夜勤のメリットはこちらです。
2)意外と自由な時間も多い
3)日勤業務に比べて時間に追われることが少ない
手当てや報酬が高い
夜勤の最大のメリット言えばやはり報酬が高いことではないでしょうか。
施設により大きく異なりますが、1回の夜勤につき大体4,000〜8,000円程度が相場と言われています。
施設によっては12,000円ほどもらえる所もあるようです。
ちなみに私が新卒の頃働いていた施設では夜勤1回の手当ては2,000円でした…苦笑
ですがこれは日勤と夜勤に両方入る場合の手当てなので、これとは別で夜勤専従という働き方もあります。
夜勤専従の場合、非正規雇用になってしまいますが、月給としては正社員と同じかそれ以上もらえる場合もあります。
実際私も2年間、グループホームで夜勤専従職員として週2日の夜勤で働いてきましたが、新卒の頃働いていた時よりも正直お給料は良かったです。
特に女性の場合、長期的なキャリアを考えないのであれば夜勤専従で働くのも一つの手かと思います。
また介護派遣に登録して一時的に働くという手もありです。
意外と自由な時間も多い
これは日勤と比べると大きなメリットかと思います。
定期的な巡回や記録などはありますが、雑用なども早めにできることを終わらせてしまえば、意外と自由に使える時間も多いのです。
施設の規模にもよりますが、基本的に夜勤は1人〜3人程度です。
1人で夜勤に入る場合はもちろん、複数人で入る場合は大抵広い施設ですから、無理に職員同士で一緒に過ごさずとも別々の場所で待機したり、仮眠を交互に取ることで休憩時間がずれたりして、1人の時間も取れることが多いです。
私の場合どのパターンも経験していますが、時間が空いたら本を読んだり資格の勉強をしたりして有効に過ごしていました。
もちろん緊急対応に追われるなど忙しい時もありますが、数は少ないです。
日勤業務に比べて時間に追われることが少ない
これは2つ目のメリットと似ていますが、日勤よりも夜勤の方が時間に追われることが少ないです。
日勤の場合、当たり前ですがほとんどの利用者は起きています。
そうすると急な要望に対応しなければいけなかったり、事故が起こる可能性も高かったりと、何かと時間に追われがちです。
もちろん休憩時間も定められた時間のみです。
一方夜勤では、こまめに休憩を取ることが可能です。
決められた業務を大枠の時間内で終わらせれば良いので比較的自分のペースで動くことができるのです。
特別養護老人ホームなど、夜間のオムツ交換の人数が多い場合は時間がかかることもありますが、そこも施設の選び方次第で避けることができます。
夜勤のデメリット
夜勤のデメリットはこちらです。
2)休憩時間が曖昧なことが多い
3)緊急時の対応が大変
4)精神的にキツい
体力的にキツい
夜勤の最大のデメリットはやはり体力的な問題ではないでしょうか。
仮眠を取れるかどうかもその施設によってまちまちです。
施設によって仮眠を取れる場合もありますが、それでも1時間〜1時間半程度です。
また夜勤専従であればある程度決まった生活リズムで過ごせますが、日勤と夜勤を交互にとなると不規則な生活リズムになりがちです。
夜勤明けに眠ろうとしても、外が明るいと意外と寝付けないこともあります。
休憩時間が曖昧なことが多い
夜勤の場合、休憩時間が曖昧なことが多いです。
仮眠が取れるのであればその時間も休憩時間としてカウントされます。
しかし1人の場合などは特に、定期的な巡回や夜中に起きてきた人の対応などしなければならないため、何時から何時まで休む、とは決められません。
とはいえトータルすると、通常定められている休憩時間よりも暇な時間が多いことの方がほとんどです。
緊急時の対応が大変
もう一つのデメリットとして、緊急時の対応が大変というのが挙げられます。
日中であれば職員も多いので、連携して対応ができますが、夜間だとなかなかそうはいきません。
夜勤が2人以上いれば協力できるのですが、フロアに1人しかいない場合は全て自分で行うか、他のフロアの職員に応援を頼むこともあります。
とはいえ緊急時の手順は各施設によって定められているので、基本はそれに沿って対応を行えば問題ありません。
大抵は電話で上司や看護師、かかりつけ医などに相談しながら行うことがほとんどです。
精神的にキツい
夜勤の場合、肉体的な疲労も伴って通常よりも精神的に敏感になりがちです。
状況によりますが、例えば利用者がなかなか寝てくれないなど、些細なことでもついイライラしてしまいがちです。
また人手が少ない分、例えば1人の利用者の対応をしている間に別の利用者が起きてきて怪我をしてしまった、などといったことも起こり得ます。
そうすると「優先すべき順番を間違えてしまったのでは」などと考えて落ち込んでしまうこともあります。
1人では対応しきれないのは仕方のないことなので、何事も焦らずに、ある程度のことは割り切って仕事をすることも大事です。
夜勤で働こうと思った時に見るべきポイントは?
同じ夜勤でも、施設により労働時間や報酬は大きく異なります。
そのため自身のライフスタイルや体力を考慮しながら選ぶことをおすすめします。
具体的には以下の3点です。
- 何交代制か?拘束時間は?
- 手当や報酬
- 月の夜勤の回数
それぞれ解説していきます。
何交代制か?拘束時間は?
介護の仕事を選ぶ際には、何交代制かを事前に調べておくのもポイントです。
交代制には大きく分けて
- 日勤と夜勤の2交代制
- 日勤、遅番、夜勤の3交代制
- 早番、日勤、遅番、夜勤の4交代制
などがあります。
その中でも夜勤の時間は16時〜翌9時、17時〜翌10時など長時間勤務になることが大半です。
施設によっては22時〜翌7時など、通常の勤務と同等の拘束時間の所もあります。
ですがその場合、2日続けて夜勤に入ることが基本になっていることもあります。
自分の希望する施設がどのような形でシフトを組んでいるのか、事前に調べておくことがおすすめです。
手当てや報酬
前述の通り、夜勤では1回の勤務に対する手当ては4,000〜8,000円程度が一般的です。
1回数千円とはいえ、積み重なると大きな額になりますからここの違いは見逃せません。
また夜勤専従の場合、1回の勤務で報酬が1万円以上違う場合もあります。
家から近いから、などの理由で何となく選ぶのではなく、こうした報酬の部分もしっかりと見ておくべきです。
月の夜勤の回数
多くの施設では月に4,5回程度が一般的です。
ですが施設によっては月の夜勤の回数が定められている場合があります。
例えば夜勤専従になると、月の回数が定められた上でお給料に皆勤手当も含まれていることなどもあるので、事前の確認が必要です。
また単純に人手が足りていない施設ではどうしても夜勤の回数を増やさざるを得ない、などといった場合もあります。
「こんなはずじゃなかった…」とならない為に、応募の際にはよく確認しておくことがおすすめです。
介護職の夜勤についてのまとめ
いかがでしたでしょうか。
夜勤は確かに辛いイメージがあるかもしれませんが、その分報酬も高く時間に余裕もあるので、イメージほど悪くはないかと思います。
慣れてしまえば夜勤の方が良いという人もいるぐらいです。
介護職の夜勤での働き方を検討している方はぜひ色々な施設を比べて検討してみてください。