こんにちは、アイコです。
「介護職」というと「きつい、汚い、給料が安い」のように、ネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。
これらは介護職の3Kと言われています。
こんな風に言われるぐらいだから、介護職として働いたところで将来性はないんじゃないかな…なんて考えてしまいますよね。
特に女性の場合、自身のキャリアとライフスタイルのバランスを考慮すると「長く働き続けられるかな?」と不安に思うこともあるかもしれません。
そこでこの記事では
- 介護職に将来性はないのか?
- 介護職として働き続けるメリット・デメリット
- 介護職として長く働くために考えたいこと
について解説していきます。
介護職に将来性はない?キャリアとライフスタイルの観点から
介護職=お給料が低いというイメージから、将来性がないと感じる人は多いと思います。
また24時間稼働している施設では夜勤があるなどシフトも不規則で、プライベートの確保や体力の維持なども難しそうですよね。
ですが結論としては、介護職の将来性はあると言える要素もあるし、ないと言える要素もあります。
将来性がある理由として
・プライベートとの両立も可能
ということが挙げられます。
将来性がないと言える要素については後述していきます。
介護職の待遇は年々良くなっている
実は介護職の給与は年々増加傾向にあります。
介護職のイメージからすると少し意外に思われるかもしれません。
10年近く前ですが、実際に他の施設で介護職をしている私の知り合いで、手取りが15万という噂を聞き、当時は非常に驚きました。
そんな話を聞いてしまうと介護職でずっと働き続けるのは難しいのでは…と思ってしまいますよね。
ですが現在では、介護職の人材確保のために国が介護職員の待遇を良くしようという取り組みを行っているのです。
国が介護職の給与を上げる取り組みを行っている
それが2012年より運用が始まった『介護職員処遇改善加算』と、2019年に追加された『介護職員等特定処遇改善加算』と呼ばれるものです。
『介護職員処遇改善加算』では、事業所の取り組み次第で職員一人あたり月額1万5000円〜最大3万7000円相当の手当てが付きます。
しかもこの手当は雇用形態に関係なく、パートや非常勤であってももらうことができます。
ただ、現在9割以上の事業が加算の対象にはなっているものの、その事業所がどれだけ要件を満たしているかによって加算額が変わるので、実際にいくらもらえるかは勤める事業所により異なります。
また新設の『介護職員等特定処遇改善加算』は「勤続10年以上の介護職員に対し、月額平均8万円相当の処遇改善もしくは年収を440万円まで引き上げる」という目的で設置されました。
ですがこちらの実態としては月額平均2万円ほどの改善に留まっている所が多いようです。
実際の目標に届いていないところを見ると大幅な収入アップには少し時間がかかるようにも思います。
とはいえ、少子高齢化が進む中で介護職の需要は増えていきますし、こうして少しずつ待遇が改善されてきていることには間違いありません。
プライベートとの両立も可能
詳しい根拠は後述しますが、介護職で働き続けた場合にもプライベートとの両立は可能です。
私は介護業界に7年間務め、様々な施設を経験する中でそこで働く沢山の人たちを見てきました。
実際の現場では介護職として長年働き続けている人もいますし、逆に年齢を重ねてから他業界から転職してくる人もいます。
介護職員同士での結婚・子育ても珍しくありませんし、産休・育休をしっかり取れる施設も多いです。
実際、現場で働いている介護職員の6〜7割は女性です。
施設側も人材を確保したいので、働き方には柔軟に応じてくれる所が多いのです。
また後述の通り、介護職は資格取得や転職によるキャリアアップも図りやすいです。
実際、マネージャーや責任者なども女性が務めている施設も多くあります。
こうしてキャリアとプライベートを両立させている人たちは沢山いるのです。
介護職の将来性があると言える根拠
介護職に将来性があると言える根拠としては
・シフト制のため、出産、子育てによる時短勤務や変則勤務に応じてくれる施設が多い
・同じ介護業界内での転職が図りやすい
といったことが挙げられます。
詳しく解説します。
資格によるキャリアアップが図りやすい
まず第一に、介護職のメリットは資格によるキャリアアップが図りやすいということです。
介護の仕事は未経験でも始められますが、例えば
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- 社会福祉士
などの資格を持っていると資格手当が付く施設も多くあります。
介護福祉士
介護福祉士を目指す場合は現場での実務経験を3年以上積み、実務者研修を受けると受験資格が得られます。
その後毎年1月に行われる試験を受け、合格し登録すれば介護福祉士として認められます。
ケアマネージャー
さらに上を目指したい場合は実務経験5年以上でケアマネージャー(介護支援専門員)の受験資格も得られます。
ケアマネージャーまで行くとさらなる昇給も見込めます。
ケアマネージャーの場合、施設により異なりますが、手当や基本給の違いから通常の介護職員に比べると月収は平均5万円ほどの差がつくようです。
社会福祉士
社会福祉士を目指すのも一つの手です。
ただし社会福祉士の受験資格を得るには学校で学ぶ必要があります。
そのため少し大変かもしれませんが、例えば現場で働きながら通信教育などで受験資格を得ることも可能です。
社会福祉士があれば、現場で働き続けることはもちろん、現場から離れ、利用者と施設をつなぐ生活相談員として働くこともできます。
このように介護職は、資格を取ることで働き方の選択肢を広げることができ、年数を重ねるほどキャリアアップを図りやすいのです。
出産、子育てによる時短勤務など要望に応じてくれる施設も多い
女性の場合気になるのが、出産や子育てなどのプライベートと仕事とのバランスではないでしょうか。
特に介護職はシフト制で変則勤務のため、働きながら子育てができるのか不安に思いますよね。
ですが実際は変則勤務が基本だからこそ子育てには有利なのです。
介護業界では、人手が足りていない施設が多くあります。
そのためどんな形であろうと少しでも隙間を埋めてくれるのならば有難い、と考える所も多いのです。
正社員でも産休・育休を活用して、出産を機に時短勤務に変更してもらったり、夜勤をなくして日勤のみにしてもらったりなど融通が効く施設は多いと思います。
特に介護職の場合、非常勤や介護派遣など勤務形態も多様です。
そのため自身の求めるキャリアやライフスタイルに合わせ、幅広い働き方を選択することが可能です。
介護業界内での転職が図りやすい
最後にあげられるメリットとして、介護業界内での転職が図りやすいというものがあります。
一言に介護職と言っても、例えば特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護では働き方が全く異なります。
例えば若いうちは特養などで多くの人と関わることで経験を積み、そこからデイサービスや訪問介護などに転職して日中のみ働く、という選択肢を取ることもできます。
前述したように、資格を取ることでキャリアアップを図り、他の施設などに移るということも可能です。
特に介護系の資格は強く、ケアマネージャーや社会福祉士は資格があるだけで歓迎されることが多いので、途中でブランクがあったとしても再就職もしやすくなります。
資格がなかったとしても、介護業界は人手不足の所が多いので、他の職種位比べると転職自体のハードルが低いので、それほど難しく考える必要はありません。
介護職は離職率が高いというイメージがあるかもしれませんが、こうしてキャリアアップのために現場を離れ、他の施設に転職していく人も多いのです。
介護職を続けるのが難しい理由
介護職として働き続けた場合のデメリットももちろんあります。
具体的には
・感染症などのリスク
が挙げられます。
精神的、体力的な問題
正直なところ、介護職は他の職種に比べると精神的、体力的に負担が大きい事実は否めません。
長く働き続けるためにはストレスと上手く向き合って行く必要があります。
精神的な問題 ①認知症の方の対応
介護職の場合、自立度の比較的高い人が通うデイサービスなどを除き、認知症の方と接する機会が多くあります。
そうすると当然ながら、同じ話を繰り返しされる方も多いです。
それが認知症なので当たり前なのですが、短時間で何度も同じ話を聞かされたり、忙しいのにずっと話が終わらなかったりすると、介護士も人ですから少なからず苛ついてしまうのが本音です。
我が子のように怒るわけにもいかず、感情を抑えながら対応しなければなりません。
また理不尽な暴言を吐かれたり、暴力をふるわれたりすることも正直少なくありません。
認知症だから仕方ないと言ってしまえばそれまでなのですが、わかってはいても言われた方はやはり傷付きます。
接し方次第で相手の反応が変わることも多いのですが、慣れないうちは対応に戸惑うことも多いでしょう。
同じ利用者でも、接する職員によって反応が全く違うこともよくあります。
精神的な問題 ②緊急時や看取りの対応
介護現場では事故による怪我や病気による対応も行わなければなりません。
どんなに頑張っても防ぎきれないものも多いのですが、中には職員のミスによる事故や怪我も少なくありません。
もし自分のミスで相手を傷付けてしまったとなると、責任を感じるのは当然です。
また施設によっては看取りの対応を行う場合もあります。
私も何度も体験しましたが、元気だった人が段々と弱っていき、最終的にお別れをしなくてはならないとなるとやはり精神的に辛いものがあります。
体力的な問題
介護職は、体力的な負担もあります。
ただしこれに関しては、どの現場で働くかによってだいぶ左右されるので、見極めが重要です。
24時間体制の施設では、早番と夜勤など交互に繰り返していると自律神経も乱れがちで、休日も疲れが抜けにくくなります。
また特養など介護度の高い現場では寝たきりの人や歩行が不安定の人も多いです。
そうなると車椅子に移乗させたりトイレの際に支えたりなど、力仕事も多くあります。
またおむつ交換などで中腰になることもあるので、腰を痛めないようコルセットをして働いている人もいます。
こうした体力的な面は、若いうちは大丈夫でも年を重ねるごとに辛くなる場合もあります。
前述の通り、もし体力的に辛いと感じたら無理せず日勤の仕事を選んだり、他の施設や職種を選んで転職するなどの方法がおすすめです。
感染症などのリスク
介護施設は集団で過ごす場のため、感染症などにかかるリスクが高まります。
インフルエンザのクラスターなども発生しますし、私が以前いた職場でも利用者、職員ともにウイルス性胃腸炎のクラスターが起きたことがあります。
また介護施設では水虫のようなちょっとしたものから肝炎のような大きな病気まで、様々な病を抱えた人も多いです。
もちろん予防はするのですが、誤って感染しないように注意する必要があります。
介護職を長く続けるには無理をしないこと
介護職は年々需要が高まってきていますし、国をあげて待遇の改善がなされているので将来性はあると思います。
とはいえ、他の職種と比べてしまうとまだ改善が追いついていない部分もあるように感じます。
また対人との仕事なので、楽しいことややりがいはもちろんありますが、同時に強いストレスを感じることもあるでしょう。
あまりにも辛いと感じたら、我慢せず転職を選ぶのも一つの手です。
介護の仕事は、施設の種類や勤務形態によってかなり仕事内容は変わりますし、負担も軽減されます。
どのような働き方を選ぶかによって、長く続けられるかどうかも変わってくると思います。
そのため自身の性格や、求めるライフスタイルに合った施設を選ぶことが重要です。
自分に合う施設の選び方については下記の記事でも紹介していますので興味ある方は参考にしてみてください。